藍染の色や模様に目が向きがちですが、その土台となるのは布です。
どれほど美しい色で染めても、素材が変われば表情は大きく変わります。
私たちは、染める前にまず布を見ます。
どのような繊維なのか。
どのように織られているのか。
どのような風合いを持っているのか。
布は単なる素材ではなく、作品の個性を決める大切な要素です。
私たちが主に使用しているのは、麻や綿などの植物性の天然素材です。
それらはもともと植物として育ち、人の手によって糸となり、布へと姿を変えています。
藍も植物。
布も植物。
異なる素材が出会うことで、一枚の作品が生まれます。
同じ染液で染めても、布によって色の見え方は異なります。
光を受けたときの反射。
繊維の太さ。
表面の凹凸。
そうした違いが、藍の表情を変えていきます。
私たちは色だけではなく、その素材が持つ個性も大切にしています。
布は糸が交差することで作られています。
平織り、綾織り、ガーゼ織り。
織り方が変われば、手触りや見え方も変わります。
遠くから見ると一枚の布でも、近づくと無数の糸が作る風景が見えてきます。
天然素材の魅力は、時間とともに変化することです。
繰り返し使い、洗い、触れることで、布は少しずつ表情を変えていきます。
新品の状態が完成ではありません。
暮らしの中で使われることで、その人だけの風合いが生まれていきます。
私たちは作品ごとに素材を選びます。
強さが必要なもの。
柔らかさが必要なもの。
軽さが必要なもの。
求める姿によって、適した布は異なります。
藍染は色だけで成り立つものではありません。
布が持つ性質と向き合うこともまた、ものづくりの大切な一部です。
私たちは、布を色のための土台とは考えていません。
一枚の布にも、それぞれの個性があります。
その個性を活かしながら、藍と出会わせること。
それが私たちのものづくりです。